分散投資とリスク軽減
分散投資ということばを聞いたことがあるでしょうか?昔から投資の世界では、卵をひとつのカゴに盛るなといわれていますが、それと関係のある話です。
卵をひとつのカゴに盛っていると、なにかの拍子に転んだときなど、すべての卵がいってしまいます。そこで、卵を複数のカゴに分けて持ち、リスクを減らそうというのがこのことばの意味です。
これは確からしいけど、でもなんとなく不思議な論理でしたが、ノーベル賞学者のハリー・マーコビッツにより分散投資についての理論がハッキリと解明されました。
マーコビッツの「現代ポートフォリオ理論」によると、複数の資産(株式でいうなら、複数の銘柄)を同時に保有することで、リスクは減少するということなのです。
これは具体的には、相関係数というものが関わってきます。つまり、その資産間の値動きの相関が低いものを組み合わせることにより、資産全体が期待値から大きく変動する度合いを小さくすることができるのです。
この現代ポートフォリオ理論に基づき、いまでは多くの投資家が資産を複数持ち、また投資信託では分散投資の効果が発揮されるように複数銘柄への投資が基本になっています。
最近では、資産クラス間での分散投資が流行っています。これはある意味基本ともいうべきもので、株式同士ではなく、株式や債券など相関係数の低いもの同士を同時に持つことの重要性が叫ばれています。
分散投資は資産運用の基本です。ポートフォリオに同じような値動きの資産を入れるなら、あるいはどれかひとつを持っても結果はあまり変わらないかもしれません。