長期投資と複利の効果
長期投資には複利の効果と運用益の安定という2つのメリットがあります。それぞれ具体的に説明します。
資産運用における複利の効果とは、長期にわたる投資成果が、単年度の爆発的な成果よりも上回るような、理論的な側面を持っています。
100万円を1年間に10%ずつ増やせる能力がある場合、10年後には資産が100万円増えるわけではありません。なんとなく、100万円の10%である10万円が10年分積み重なると思いがちですが、これは間違いです。
実際には、100万円は10年後には260万円になります。これは、毎年10%ずつ増えた部分にも10%のリターンがかかるからです。
これの示すところは、毎年出た利益を取り崩すべきではないということです。それでは複利の効果は得られず、時間を味方にした資産運用の醍醐味を知ることはできません。
次に、運用における安定ですが、これは長期にわたりリスク資産を保有することで、地政学的リスクなど、大きなリスクも伴うことはよく知られることです。
しかし、そういった非システマティックなリスクには誰しもが対応できないことです。長期投資は、システマティックな部分に対して有効に働きます。
過去の統計データにより、長期保有により期待リターンの標準偏差が小さくなっていくことが明らかにされています。この傾向が一時的なものではなく今後も継続するなら、長期保有は期待リターンを安定させる効果があるといえるでしょう。